自分の答えを取り戻す
「アート思考の教室」で扱ってきた、アーティストたちのめくるめく探求の過程は、私たちにとってはまさに「非日常的な刺激」です。
(中略)日常生活のなかで「自分なりのものの見方・考え方」がぼやけてきてしまっている人にとって、アートはとてもすぐれた刺激剤になります。アートが投げかけてくる問いには、何とおりもの答えが可能ですから、「自分なりの考え方」を取り戻したい人にはうってつけなのです。
アートの世界には答えはありません。そこにあるのは、自分がどう感じたか、ただそれだけなのです。
会社の中で、ただ言われたことをやって、求められたアウトプットを出す日々を淡々と過ごしていると、自分の頭で考えることができなくなってしまうでしょう。
「これまでの試験問題と違って、社会に出たら答えはない。」という言葉は、耳にたこができるくらい聞かされてきました。しかし、会社で働く中で、本当にこのことを意識できている人はどれだけいるのか考えさせられます。自分が良いと思ったものを自信をもって提出している人がどれだけいるでしょうか。ほとんどの人は、上司が良いと思うものを提出しているにすぎないのではないでしょうか。「社会に出たら答えはない。」という言葉と同じくらい聞かされた言葉がもう一つあります。「自分の中の正解を絶対だと思うな。お客様の要望を柔軟に取り入れていくのが仕事だ。」という言葉です。自分が良いと思ったものを作るのではなくて、お客がいいと思うものを作れ、それが仕事というものだ、とたくさんの人が言うでしょう。
上司が良いと思うものを提出したり、お客様が良いというものを作ったり、そんな人だらけなのが今の社会なのではないでしょうか。結局はどこかに答えを求めているのです。
「社会に出たら答えはない」といくら口では言っていても、結局は自分で正解を作れる人なんてほんの一握りです。だからこそ830はそういう人間になりたい。そのためには、アート思考が必要不可欠です。自分自身と向き合い、自分の感性を信じて、自分が最高だと思うものを提供する。それがこれから求められる人材です。
誰かが求めているものを作る時代は終わりました。これからの時代は、自分が素晴らしいと思うものを作る時代です。自分が素晴らしいと思うものを作って、それを買ってもらう時代なのです。
顧客に答えを聞く時代は終わりました。これからは顧客に答えを提供する時代です。
自分が正しいと思う答えを発信していく。それがこれからの時代なのです。
まとめ
自分の答えをつくるというのは簡単なことではありません。強く意識していないと実現できるものではありません。無意識に生きていると、自分が良いと思うものではなくて、誰かがいいと思うであろうモノを作ってしまうのです。
自分の感性にだけ目をやればいい。自分がいいと思うものを作って、それをいいものだとみんなに知ってもらうのです。それこそが、これからの時代に求められるアート思考そのものなのです。
今回も最後まで読んで頂きありがとうございました。
本記事はあくまで830の主観を織り交ぜた上で、書籍の紹介をさせて頂いております。書籍との食い違いが生じてしまっている場合もございます。ご理解頂けますと幸いです。
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