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「HELLO, DESIGN」のすすめ_概要

第3章 デザインの手法

デザイン思考は4つのプロセスから成ります。
1 デザインリサーチ(観察/インタビュー)
2 シンセシス(問の設定)
3 ブレスト&コンセプトづくり
4 プロトタイピング&ストーリーテリング

1デザインリサーチでは、人を観察してアイデアの種を集めます。行動している人たちがまだ気づいていないような彼らの課題を、観察から見出す作業です。自動車会社を作ったフォードは、「もし顧客に、彼らの望むものを聞いていたら、彼らは『もっと速い馬が欲しい』と答えていただろう」という言葉を残しています。顧客がまだ気づいていないようなニーズを見出すのがこのプロセスです。

2シンセシスではアイデアが生まれやすい問いを作ります。日本企業はこの問題設定がへたくそであるためにプレゼンスが落ちてしまっていると語られています。この書籍で引き合いに出されていたチョコレート会社の一例を紹介します。
チョコレート会社は、IDEOにデザインの依頼をしに来ますが、断られてしまいます。その理由は、ざっくりいうと問題設定が適切ではなかったからです。その度にチョコレート会社は問題設定を改めて、IDEOに再依頼しに来ます。その以来の推移は、「パッケージのリデザインをしてほしい」→「チョコレートの消費量を上げるにはどうすればいいか」→「自分たちには、日本におけるチョコレート文化をけん引してきた自負があります。これからも、そのカルチャーを前に進めていきたいと考えている。ここでひとつ、全く新しいライフスタイルを提案したいんです。子供だけではなく、大人がチョコレートを愉しむ。この新しいチョコレートカルチャーの創出を、一緒に考えてくれませんか?」というものです。
この推移をみると、チョコレート会社自身が「自分たちは何を求めているのか」に気付いていっていることが分かります。また、IDEOに対する依頼内容についても、IDEO側の自由度が上がっていることが分かります。デザインを行う上では、適切な自由度が大切です。この点に注意して問題設定するようにしましょう。