真理の力
力で何かを勝ち取るのではなく、真理を持って闘う。したがって、自分が目指すところを得たときに、相手が敗れて屈辱を感じるというものではなく、相手もその真理に感化される、そういうありかたを求めました。これをサッティヤーグラハ(真理の力)といいます。
ヒンドゥー教
ガンジーはイギリスに留学し、弁護士として働きます。しかしそのイギリスで、露骨な差別を経験するのです。列車の一等車の券を持っているのに乗れなかったり、ターバンをかぶって法廷に立とうとしたら脱げと言われたり、屈辱的な経験をするうちに「この支配を終わらせなければならない」と考えたそうです。
そこでガンジーがとったのは、真理を唱え続けるという行動です。
相手の考えを否定し、屈服させるのではなく、自分が正しいと思う真理を訴え続けたのです。
相手の間違いを主張し論破したところで、反感を買うだけです。それに共感してくれる仲間が現れたところで、敵も増えてしまうようでは意味がありません。
真理を発信し続け、相手にも共感してもらう。これがガンジーの手法でした。
SNS上では、多くの議論が繰り返されます。揚げ足を取り合い、論破してやったと勝ち誇る人がたくさんいる。しかし、論破には何の意味もない。論破したところで、その相手はあなたの見方にはなってくれません。あなたが一時の優越感に浸るだけなのです。
大切なことは、相手の意見をしっかりと理解し、自分の意見をしっかりと伝えること、それだけです。どちらかが絶対的に正しいなんてことはこの世の中にはありません。勝ち負けといった概念を取っ払って、お互いの意見を理解し、尊重し合う、それが大切なことです。
相手がこちら側の方が正しいと思ったのであれば、相手は自分の考えをかみしめた上で、共感し味方になってくれるかもしれません。相手の方が正しいと思ったのであれば、相手の考えをかみしめた上で、相手の味方になってあげるべきです。
自分の意見に固執してはいけません。意見なんてものは「その時はそう考えていた」という一時的なものにすぎません。大切なことは、真理を見つけることです。たくさんの意見を取り入れ、よりベターなのはどっちなのかと常に考え、ポジションを変えていかなければいけない。
議論が生じ、誰かが自分と異なる意見をぶつけてきた時、私たちは感謝しないといけない。その議論によって私たちははさらに真理に近づくことができるのだから。
それを実践したのがガンジーです。「非暴力・非服従」を訴え続けたのです。
違う意見を唱えていた人もいたでしょう。しかし、ガンジーの唱える真理に共感し、多くの人が賛同した。
そして、ガンジーは「インド独立の父」として語り継がれているのです。
これが、真理の力、サッティヤーグラハです。
まとめ
「愛」や「家族」という言葉をネガティブに捉える宗教的な考え方は耳が痛かったのではないでしょうか。
しかし、宗教が唱える考え方にも耳を傾け、しっかりと理解してください。そして、自分はどんなポジションを取っていくのか、考え直してみてください。
それを続けていくことで、私たちは真理に近づいていくことができます。自分が正しいと思う真理に。
答えはありません。自分がどんな人生を歩みたいのか、大切なのはそれだけです。
たくさんの意見に触れれば、頭を使ってたくさん考えることで、真理は深まっていきます。そして、私たちはさらに強い存在になっていくことができるのです。
今回も最後まで読んで頂きありがとうございました。
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