仕事に敵はいらない
人間関係を捉えるときに知っておいてほしいのは、まず「敵」という発想はいらないということだ。
(中略)
敵とは排除する発想から来ているもので、そもそも心が狭いし、そうした相手を作っていいことは一つもない。親分肌で自分のグループを作りたい縄張り争いが好きな人が、自分のグループの結束感を強めるために敵を必要とし、わざわざ作る場合があるが、変化の激しい時代には、固定的な付き合いを深くするより、誰とでも柔軟に付き合っておくのがベターだ。
「敵を作らない」というのは、ビジネスにおいて常にWin-Winの関係を意識するということです。
多くの人は、誰かが得をすると、誰かが損をすると考えます。しかし必ずしもそういう訳ではない。新しいビジネスモデルを取り入れることで、社会全体の効用が増大するのであれば、その増大した効用を分け合うことによって、全ての人がWinになる場合が生まれうるのです。
そして、いつもビジネスというのはそういうものでないといけないのです。
だから、敵を作るのではなく、味方を増やしていくことの方が大切だ。
この本にもある通り、830も「敵」というのは結束力を高めるための手段だと考えます。部活で監督の悪口をいうことで結束力が高まったり、学校の先生の悪口を言うことで結束力が高まるということはよくあります。集団において共通敵を生み出すことで、集団の結束力が高まるというのは疑う余地はないでしょう。
大学時代、野球部で830の同級生が学生監督をしていた時、よく「監督はみんなに嫌われることが仕事だ」みたいなことを言っていました。それもこういう考え方から来るのでしょう。
しかし、本書に書かれているポイントは、「変化の激しい時代」に固定的な関係を築くこと自体がナンセンスであるということです。
これまでのように終身雇用で、一つの会社にずっと働いているのであれば、ライバル企業の悪口を言いたい放題言って、結束を強めていれば良かったのかもしれません。しかし、転職なども当たり前になっていく昨今において、将来そのライバル企業に行くこともあるかもしれない、その企業のグループ会社に行くこともあるかもしれない、というのが現実なのです。
だからこそ、自社の中の関係を絶対的なものと考えすぎてはいけない。当然ながら、会社の中での仲間意識や会社に対する帰属意識は、仕事を進める上でプラスに働くと思います。しかし、他者に対する敵意は持ってはいけない。あくまで持つべきなのは、仲間意識や帰属意識といったプラスな感情だけなのです。敵意といったマイナスな感情は長い目で見ると悪い影響を及ぼしうる。
前の項目と同じ結論ですが、ここでも頭のOSを切り替えないといけない。終身雇用時代のOSから、変化の激しい時代のOSへと。決して、依然の考え方が間違っていたわけではない。時代の変化とともに考え方を変えていかないといけないのです。
まとめ
今回は、すぐにでも取り入れてほしい、ビジネス上の考え方を紹介させて頂きました。
多くの人は自分の考え方を変えるのが苦手です。今の自分の考え方が正しいと思ってしまいがち。しかし、考え方というものはどんどん変えていくべきものなのです。立場の変化や時代の変化などに合わせて。
今の考え方なんて、一時的なものにすぎません。そんなものに固執していては成長できない。自分の考え方よりいいなと思えるものがあったなら、すぐに乗り換えた方がいい。ここで挙げた二つの例は非常に分かりやすかったのではないでしょうか。
大切なことは、考え方を変えるということが、これまでの自分を否定するわけではないということです。これまでのベストが、これからのベストであるとは限らない。常に未来を見据えた上で、ベストな選択をしていきましょう。
今回も最後まで読んで頂きありがとうございました。
本記事はあくまで830の主観を織り交ぜた上で、書籍の紹介をさせて頂いております。書籍との食い違いが生じてしまっている場合もございます。ご了承の上、ご理解頂けますと幸いです。
正確な情報については、是非原本をご購入の上、お読み頂けますよう宜しくお願い致します。
今後も宜しくお願い致します。