会社の顔として、社員の育成に力を入れるザッポス。
そんなザッポスの人材採用戦略を見てみましょう。
同じ方向を目指す社員を探すために、ザッポスがどんな手段を取っているのか。
ぜひ参考にしてみてください。
- ザッポスの人材採用
- オープンで正直が最強の戦略
- まとめ
ザッポスの人材戦略
そのため、求人広告も、会社説明会も、応募書類も、会社の文化を強烈に表現したものであるべきなのです。求職者が一目見ただけで、「この会社は濃い」と感じ、「この会社で、どうしても働きたい」、あるいは「この会社は、自分には合わない」という強い感情を抱かせることができるプロセスや形式、ツールが望ましいわけです。
ザッポスでは、会社説明会を企業文化への適性をはかる一種の「リトマス試験」としてとらえるため、その説明会はかなり風変わりで、ワイルドです。
ザッポスは、ザッポスならではの採用方法を心がけます。多くの会社と似たり寄ったりの真面目な採用方法を取っていては、人を見極めることができない。ザッポスと同じ方向を向く人を見つけるためには、とことんまで自分たちがどこを向いているのかを見せる必要があるのです。そうすることで、同じ方向を向かない人たちには自主的に去ってもらうというのがザッポスの採用方法です。
企業側が、応募者からザッポスに見合った人を一から探すというのは非常に手間がかかります。だからこそ、強烈に自社の文化を押し出すことで、それに共感できない人には自ら去ってもらうというのです。それは会社のためでもあり、応募者のためでもあると。会社というのは生活の場であって、文化が合わない会社で働くことほど辛いことはない。
ザッポスの面白いところは、採用後の新入社員研修の中でも、まだまだ強烈に自社文化を押し出していけるところです。そして、例え採用された後でも自主退職しやすい仕組みを作っています。新入社員研修のタイミングで自主退職すれば、20万円程度のボーナスが与えられるというのです。給料がもらえないというのが足かせになって、自主退職できないという社員のために、20万円支給という仕組みを備えているのです。
入社してまだ何も仕事をしていない人が辞めるというタイミングでボーナスを支給するというのは違和感があるかもしれません。しかし、ザッポスと同じ方向を向けていない社員に給料を払い続ける方がコストだと考えることもできます。ザッポスからすれば、お金を払ってでも辞めてもらいたいという思いも少なからずあるでしょう。
ザッポスが人材採用で一番大切にしているのは、ザッポスと同じ方向を向いている人材を見つけることなのです。そのために自社の文化を強烈に押し出す。そして、採用した後だったとしても、文化に合わないと感じた社員には辞める道を提供している。これがザッポスと採用戦略です。