- 情報操作によって生み出される欠かせない人間
- まとめ
情報操作によって生み出される欠かせない人間
“ワークライフ・バランス”を促進するためではないが、私たちは社員にしっかり休暇を取るよう勧めている。誰かが自分は会社の成功に欠かせない存在なので、1~2週間も休暇を取ったらとんでもないことになる、と思っているなら、かなり深刻な問題があるサインだ。必要不可欠な人間などいるべきではないし、またそんなことはあり得ない。ときには自分のエゴを満たすため、あるいは「必要不可欠な人間」になることが雇用の安定につながるといった誤った認識のために、わざとそういう状況をつくりだそうとする人もいる。そういう人には必ず休暇を取らせ、その間は別の人間にその仕事を任せよう。休暇から帰った人はリフレッシュして仕事への意欲が高まり、代役を務めた人は自信がつくはずだ。
人間であれば誰しも承認欲求を持っているものだろう。誰しもが「他人から必要にされたい」「自分は不可欠な存在だ」と思いたいだろう。しかし、この本で紹介されるように、「必要不可欠な人間」なんているわけない。その人にしか出来ないことなんてこの世にない。人間がやる仕事なんて、全て誰にでも出来る仕事であって、いくらだって替えはいる。「自分にしかできない仕事だ」という思い込みはエゴでしかない。
しかし、承認欲求の強い多くの人はみんな「自分は必要不可欠な人間だ」と考えている。そして、自分しか出来ない仕事を作り出すために、仕事の情報を自分の手元に囲いこむ。教えれば誰にだって出来る仕事しかしていないくせに、誰にも仕事のやり方を教えないことで、自分にしか出来ない仕事を作り出すのである。チームにとって害悪極まりない存在である。多くの人に情報を共有して、柔軟性を持たせる方がいいに決まっている。
そうやって情報隠す時代はとうの昔に過ぎ去った。現代は情報開示の時代だ。830の働く会社もそうだが、みんな情報を隠すのが大好きだ。すぐに秘密保持契約を結ぶ。そんな大した情報でもないのに、なんでもかんでも隠したがる。情報を隠すことで周りよりも優位に立とうとする。自分の実力に自信のないかわいそうな存在だ。
会社の話になると、「企業秘密は開示できない」「秘密保持契約を結ぶなんて当たり前だ。」と反論する人がほとんどだろう。しかし、830にしてみれば承認欲求の強い人の話と何も変わらない。どうして、人と会社が置き換わるだけで、結論が違うなんてことがありえようか。
隠し事をしている企業を、どこの会社が信頼しようと思うだろうか。信頼できない企業と、どこの会社が一緒にプロジェクトを組もうと考えるだろうか。周りの企業は敵ではない。あくまで一緒にプロジェクトを進めていくかもしれない仲間だ。社会をよくしていこうと同じ志を持つ仲間だ。仲間から信頼されない人が、どうして生きていくことが出来るだろうか。周りの企業から信頼されない企業が、どうして生き残ることが出来るだろうか。
もう一度言おう。現代は情報開示の時代だ。
まとめ
人間は元来隠し事が大好きだ。自分しか知らない情報を持つことで、周りよりも優位に立とうとする。
高校でも、大学でも、すぐにグループで秘密を共有する女々しい人たちが現れる。自立できていない人はすぐに仲間をつくろうとする。
仲間は作るものではなくて、集まってくるものだ。
確固たる自分を持ち、自立した人の周りには、自然と人が集まっていく。
秘密事を共有して仲間を作ろうなんて、頼りない人の周りには誰も集まってこない。
隠し事なんて卒業だ。
これからは情報開示の時代なのだから。
今回も最後まで読んで頂きありがとうございました。
本記事はあくまで830の主観を織り交ぜた上で、書籍の紹介をさせて頂いております。書籍との食い違いが生じてしまっている場合もございます。ご理解頂けますと幸いです。
正確な情報については、是非原本をご購入の上、お読み頂けますよう宜しくお願い致します。
今後も宜しくお願い致します。