今回はマッキンゼー在籍25年のトップコンサルタントである山梨広一さんが書かれた「シンプルな戦略」という一冊をご紹介します。
- シンプルな戦略
- まとめ
シンプルな戦略
優れた戦略はいつもシンプルである。シンプルであるが故に、多くの人に理解され、実行され、優れた結果が生み出される。
シンプルな戦略を立てるためには大胆な意思決定が必要であり、大胆な意思決定を行うために綿密に調査を行い、徹底的に分析することが求められる。そうやって考え抜かれた戦略だからこそ、シンプルで優れた戦略となる。
山梨さんはシンプルな戦略を考えるために、まずはしっかりフレームワークを理解してほしいとこの一冊を書かれています。本書で示されている戦略立案のフレームワークは以下のステップで行われます。
- 戦略目的を設定する
- 境界条件を再確認、再定義する
- 環境を認識し、自社独自の洞察を導く
- 課題を抽出し、構造化する
- 戦略的方向性を創出、選択する
- 戦略としてまとめ上げる
現状の課題を見い出し、どのように変えていきたいのかを明確にする。ここで重要なのが、その戦略目的が普遍的なものになってしまっていないかです。いつの時代でも、どの企業でも当てはまるような戦略目的では意味はない。今だからこそ、自社だからこそ目指していくべき目的を設定することが不可欠です。
そしてその目的を達成するためにアクションを考えていく必要がありますが、その中でこれまでの慣習に囚われ過ぎてはいけません。現状の延長線上に課題解決はありません、豊かな発想力をもって、ゼロベースで物事を見詰め直す必要があるでしょう。
そして3C分析(Customer, Competitor, Company)やSWOT分析(Strength, Weakness, Oppotunity, Threat)などを駆使して外部環境についても調査を行います。その中で、自社だからこそできる強みを見直し、アクションを絞っていくことにあります。
そのアクションをビジネスモデルに落とし込んでいくことが重要です。アクションによってどのように課題が解決され、どのように目的達成に寄与するのかを、改めて構造化しながらシンプルな戦略を作り上げていきましょう。
そして、考え抜かれた戦略を伝わる形へとまとめ上げていきます。戦略の中で何を伝え、どのような行動を起こしていってほしいのかを今一度考え直すことで、優れたシンプルな戦略を共有していくことができるのです。
まとめ
山梨さんが本書の中で何度も読者に問いているものとして以下があります。
Q1:顧客にとって、うれしいことかどうか
Q2:それは他の会社とは違うのか
Q3:自社は儲かるのか
各質問に3つ以上の回答を準備できるようになるまで戦略を考え抜くことが優れた戦略となるそうです。当たり前の質問だからこそ、見落としてしまいがちなこれらのポイントに今一度目を向けて、優れた戦略を構想していきましょう。
830もCR-SISに向けて、自社事業について考察を重ねていきます。