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「外来種は本当に悪者か?」_2

今回は前回の記事で紹介した、「外来種は悪者だ」という一方的な偏見を、人間界に重ねてみようかなと思います。
前回の記事をまだ見てないという方はこちらからどうぞ。


目次

  • 外来種の問題からとらえる人間界
  • まとめ

外来種の問題からとらえる人間界

外来種は在来種を絶滅させる悪者だというのが多数派の考え方ではないでしょうか。
それに対して本書は異を唱えており、外来種の侵入にも様々なケースがあることを紹介しています。在来種を食いつぶしてしまうケース、在来種に新たな住処を提供するケース、在来種と交雑することで新たな種を誕生させるケースなどなど。
さらには、在来種の絶滅に便乗してその空いたスペースに入ってくるケースも取り上げられていました。例えば、人間によって水質汚染が進み、在来種が絶滅するのに合わせて、外来種が繁茂するケースである。この中には、外来種が水質改善に寄与したケースもあったという。
こういった様々なケースを考慮すると、単純に「外来種は悪者だ」という結論を下すことができないというのが著者の意見である。
在来種・外来種といった概念に縛られず、生物の多様性が増していくためには何が最も現実的なのかを考えていくことが必要ではないかと。もっとマクロな視点で考えることが必要であると。

これを読んでいて人間の世界を考えざるを得ませんでした。
日本でも多くの外国人が働いている姿を目にするようになりました。東京の居酒屋などに行くと、全員が外国人スタッフだという所も珍しくありません。
今でこそ当然の光景ですが、当初は外国人の流入を否定する声が多く聞かれました。「やっぱり日本人がいいよね」「うまく話せないんじゃないの」「なんとなく嫌だ」と言った全くもって主観的な意見がテレビでは多く流れていました。これが「外来種」の問題と重なりました。

日本では人口減少が進み、働き手が足りない中で、外国人は働く場を求めて日本に来ています。日本人でカバーできなくなったスペースを埋めるために外国人が来てくれているのです。まさに外来種の最後のケースと同じ。
私たちはもっと彼らに感謝しないといけない。ひっ迫しているのはこっちなのに、否定するなんてもってのほかです。彼らは日本がだめなら、韓国、アメリカとどこにだって行けます。その中で日本を選んでくれていることに感謝しないといけない。そして共存していかないといけない。

自然界の議論においてどうして恩恵をくれている外来種を悪者に仕立て上げてしまったのか。それは、在来種に対する異常な思い入れです。在来種の絶滅を問題視する人は、その理由として生物の多様性を唱えます。しかし、外来種との交雑で誕生する新種に対しては議論しない。全く論理的ではない判断をしているんです。生物の多様性といった万人受けする理由を提示する一方で、心の中ではなんとなく在来種をひいきしているんです。

人間界の話に戻すと、日本人を理由もなくひいき目で見ているのではないでしょうか。自分にとって何が必要なのかを冷静に考えてみてください。サービスを提供してほしいのであれば、日本人でも外国人でも関係ない。日本人で足りないところを外国人が補ってくれるならありがたいことではないでしょうか。
最近は多くの国で自国尊重が取り上げれていますが、本当にそれが必要なのでしょうか。830が経産省で就活をしている時、周りの学生は「お世話になった日本のために働きたい」と言っていましたが、日本とは何なんでしょうか。日本国籍でしょうか、日本にいる人でしょうか、日本に税金を納めている人でしょうか、それとも日本のGDPでしょうか。国といった概念はとても曖昧です。国際化が進む現代ではさらに曖昧になっていっている。そういった中で本当に日本というものを明確に定義した上でそういった考え方をしているのでしょうか。

もっとマクロな目線が必要なのではないでしょうか。830は「国」というものを明確に定義することはできません。「国」という概念が曖昧になる現代において、私たち人間に残された唯一の帰属意識は「地球」ではないしょうか。宇宙開発が進めば、この「地球」という概念さえ曖昧になっていくのかもしれませんが、830はこの「地球」に対する帰属意識を大切にしていきたいと思っています。
だからこそ、「地球」を豊かで住みやすい、幸せな環境にしていくために、エネルギーという分野から環境問題に取り組んでいきたいと考えています。国境といった小さな概念に縛られることなく、広い視点で活躍していきたいと思います。

まとめ

今回は自国意識についてお話させて頂きました。
是非一度立ち止まって、日本とは何なのか考えてみてください。
企業の存在が大きくなる現代は、国という概念すら揺らいでいます。
「企業」「国」「地球」といった概念を今一度見つめ直して、将来を考えてみてください。

あとがき

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました。
本記事はあくまで830の主観を織り交ぜた上で、書籍の紹介をさせて頂いております。書籍との食い違いが生じてしまっている場合もございます。ご了承の上、ご理解頂けますと幸いです。
正確な情報については、是非原本をご購入の上、お読み頂けますよう宜しくお願い致します。
今後も宜しくお願い致します。