今回も「エリートはなぜ『美意識』を鍛えるのか?」を紹介していきます。
もう少し<論理>の問題点をお話しして、<美意識>を鍛えるための哲学する力について記事を書いていきます。
- <論理>偏重はコンプラ違反の温床
- 哲学する力
- まとめ
論理偏重はコンプラ違反の温床
私は、昨今続発している大手企業のコンプライアンス違反や労働問題の根っこには、経営における「過度なサイエンスの重視」という問題が関わっている考えています。
コンプライアンス違反やパワハラの温床になっているのも、<論理>偏重であると本書では述べられています。
前回お話ししたように、<論理>偏重になると、商品が他社のものと同質化し、価格競争に巻き込まれる。それでも企業は実績を伸ばすために、前回よりも高い目標を立て続ける。しかし、どれだけ<論理>を積み上げて効率化を図ったところでコスト削減には限界がある。一定ラインを超えると目標は達成不可能なレベルになってしまう。
そういった時、データ偽造をしたり、過重労働を課したり、パワハラが起こってしまう。<論理>偏重が、これらの問題の根源にある。
結局こういった問題をなくすためにはどうすればいいのか、その答えが<美意識>です。どうやって他社と差別化を図るのか、どうやって価格競争を抜け出すのか、しっかり自社のビジョンをもってビジネスをしていかないといけない。
「社員にパワハラをするな」と教育するんじゃなくて、パワハラしなくてもいいようなビジネスモデルを考えないといけない。過度なまでにコスト削減しないと利益があげられないような企業は潰れた方がいい。
「俺の店、売り上げ上がっててビジネスはうまくいってるんだけど、バイトが集まらなくて困ってるんだよなー。」っていう人がいます。バイトが集まらない時点でビジネスなんてうまくいっていない。安い給料で、過度にバイトを使っているから売り上げが上がっているだけ。本当にビジネスがうまくいっているというのは、働いている人が楽しんでいて、そこで働きたいという人がたくさんいる状態で、なおかつ売り上げを上げられている状態のことなのではないだろうか。
哲学する力
エリートのは大きな権力が与えられます。哲学を学ぶ機会を与えずにエリートを育成することはできない、それは「危険である」というのが特に欧州における考え方なのです。
(中略)
フランスの教育制度の特徴として(中略)文系、理系を問わずすべての学生が哲学を必修として学び、哲学試験はバカロレアの第一日目の最初の科目として実施されます。
フランスでは哲学が必修科目になっているようです。バカロレアという大学入学資格試験では以下のような出題がされます。
- 理性はすべてを説明することができるのか
- 芸術作品は必然的に美しいのか
- トマス・ホッブスの『リヴァイアサン』からの抜粋に関して論述せよ
答えのない問題に対してどう答えるのか。
こんな問題、日本ではまず見ないですよね。よく日本では、「学校の問題には答えがあるけど、社会に出たら答えのない問題を解かないといけない」と先生に言われることが多くないですかね。社会に出たら答えのない問題を解かないといけないのに、なんで学校では答えのある問題しか教えないのでしょうか。そこまで分かっていたら教育内容変えてあげればいいのに、と830は思います。
<美意識>とは、答えのない問題に関してどう自分なりの答えを導くのか、<哲学>によって磨かれるんです。自分の<哲学>に照らし合わせて、直観的にいいものを選んでいく。そういう練習が必要です。
ファッションや音楽、芸術やお笑いなど、いろんなところで<美意識>を磨くことはできるのではないでしょうか。是非、生活の中で意識してみてはいかがでしょうか。
まとめ
<美意識>を鍛えるために、<哲学>が大切だということです。
<哲学>と聞くと、『死とは』『自分とは』みたいな重いイメージがあると思いますが、そんな固く考えずに、あるものに対して自分はどう感じるのか、自分の価値観を書いてみるといいのではないでしょうか。
自分の好きな漫画について、『どうしてその漫画が好きなのか』『どうして他のマンガじゃいけないのか』、そういった小さな問いかけを考えてみることで自分の価値観を知ることができます。ファッショや食べ物について考えてみてください。自分の価値観を知れば、迷った時にどっちを選べばいいのか、物怖じせずに選択できるようにきっとなります。
ブログやTwitterなどで自分の考え方を発信してみてください。それが<哲学>の始まりです。それが<美意識>始まりです。それが<エリート>の始まりです。
今回も最後まで読んで頂きありがとうございました。
本記事はあくまで830の主観を織り交ぜた上で、書籍の紹介をさせて頂いております。書籍との食い違いが生じてしまっている場合もございます。ご了承の上、ご理解頂けますと幸いです。
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