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「『再エネ大国 日本』への挑戦」_1

今回は「『再エネ大国 日本』への挑戦」という一冊を紹介させて頂きます。
環境問題に携わっていきたいと述べてきた830ですが、そういったところに関する情報を発信していくことができればいいなと考えています。
今回は、環境問題の解決策として期待のかかる再エネについての一冊です。日本の地方における、再エネ導入の成功例を参考にしながら、日本はどのように進んでいけばいいのかを考えていきましょう。


目次
  • 電気自動車と太陽光パネル
  • 林業の再生
  • まとめ

電気自動車と太陽光パネル

このショールームの上に太陽光パネルが乗っているので、そこから電気自動車へ充電することができますし、逆に夕方、太陽が沈んだ後には、車から建物への給電が可能になっています。今、世の中では、太陽パネルで発電して電力会社に売電するケースが多いと思いますが、私のところでは、発電したものはすべて自分たちで使っています。島のエネルギーとしてちゃんと使えるような環境を作っていこうと思いながら取り組んでいます。

沖縄県宮古島では、電気自動車(EV)をうまく利用することによって、太陽光発電を最大限利用していこうという取り組みがされています。これは830が大学院で研究していたテーマです。830の研究では、全国レベルでEVの利用がどれだけ経済的メリットを生むのかを概算していましたが、宮古島では小規模で実証されているようです。

地球温暖化などの問題が深刻になる中、太陽光発電などの再エネの導入が進んでいます。しかしながら、太陽光発電の問題として、日中と夜間の発電量の違いが挙げられます。太陽の上がる日中は発電量が多いのに対して、夜間は発電量が0になる。こういった特徴的な動きをする発電機の割合が高くなると、電力の需給バランスを取るのが非常に難しくなってしまいます。電力の需給バランスが取れなくなると、大規模な停電などを引き起こしてしまう可能性があるので、注意が必要です。
実際、現状レベルでも、九州電力などでは太陽光発電の割合が高すぎて、需給バランスが取れないことが問題になっています。太陽光発電の申請が増える一方で、これ以上電力系統に太陽光発電を導入するのが難しいという状況になっています。

その解決策の一つとして、EVのバッテリーを利用しようという考え方があります。日中発電量が大きくなる時にEVを充電し、発電量が小さくなる夜間はEVにたまった電気を使うことで、需給バランスの波を小さく抑えることができるのです。
太陽光発電を設置する業者の多くは、発電電力を電力会社に売電して、電気の使い道に関しては電力会社任せという形になってしまっていました。しかし、それでは電力会社側で需給バランスを取るのが非常に困難になってしまう。だから、太陽光パネルを持っているそれぞれが、需給バランスという所にまで気を配ることによって、電力会社の負担を軽減していこうという考え方になっているのです。

太陽光パネルは環境問題の解決策の一つです。しかし、現状の仕組みではこれ以上太陽光発電を導入していくことができない。各個人の意識の変化が不可欠なのです。太陽光パネルを設置し、発電して終わりではなくて、その電気をどのように使えばいいのかまで、さらに意識を高めていきましょう。電力の需給バランスを電力会社に任せっきりにするのではなくて、一人一人が責任を持つことによってより多くの太陽光発電の導入を可能にし、環境問題の解決に近づくことができるのです。
宮古島では、エネルギー自給率50%を目指し、太陽光パネルの導入、EVの利用を進めています。地方自治体といった規模感で、より多くの人々がエネルギー自給率に関心を向けていければいいなと思います。分散型電源が普及する現代において、エネルギー自給率は国策レベルの話だけではなくて、各個人/各団体といった小さなところから始めることができるようになっているのです。