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「キミが働く理由」のすすめ_4

「キミが働く理由」の最終回として、若者の考え方について紹介したいと思います。
同世代の人と話している中でここで紹介するような考え方の人が増えているということを実感します。当然若者のみんながみんなこの考え方というわけではありませんが、確実に一定数の人はこのような考え方で生きています。
ぜひ参考にしてみてください。


目次
  • 今の若者の新しい感覚
  • 「人」の問題
  • まとめ

今の若者の新しい感覚

いまの若者たちは、新しい感覚を持っているのではないかと思います。
たとえば、会社の規模とか、収益とか、安定性とか、良い待遇条件を出しても、若い人たちには響かなくなっています。
ところが、仕事内容は過酷でも、「この仕事は、本当に世の中の役に立っているよ。給与は少ないかもしれない。でも、こんなふうに困っている人が助かるんだよ」というと、不思議なくらい若者が集まるのです。

(中略)
今までの社会の価値観が完全に崩壊してしまったのだと思います。
1つは、頑張っているお父さんたち、働いている大人が、格好よく見えない。(中略)
つまり、「あのようになりたい」という大人が身近にいなくなったのではないかなと思うのです。
いま働いている社会人が格好よく、生き生きとしていないために、若者たちは大人の言うことを聞かなくなったり、その価値観に合わせようと思わなくなったのではないでしょうか。
その一方で、使命を感じるところには、たくさんの若者たちが集まってきます。使命感を持っている大人や、使命を実感できる場に行くと、若者たちは”燃える”のです。

830たちが思い浮かべる社会人と言えば、上司の顔色をうかがいながらぺこぺこする人たちです。仕事終わりには酒を飲みながら、会社の愚痴を言っている人たちです。社会、会社、上司、同僚の愚痴を言った後は、そこらへんで女遊びをするみたいな。そして、お互いの給料や会社のブランドを掲げてマウントを取り合う。ひとしきり自分の肩書きを見せ合った後は、子どもの学歴とかまで競い合う。
正直に言って、そんな人たちに憧れるわけがありません。

しかし、そういった人たちは、年上だというだけで、「こうした方がいい」って指導してくる。「その考え方も分かるんですけど、僕はこうやっていきたいんです。」って言っても、「いや、全然わかってない。そんなんじゃ、社会でやっていけない。」って言ってくる。
こんなこと面と向かって言えませんが、こういう風に言われると830はいつもこう思います。「あなたが正しいと思うように生きていってしまったら、あなたのようになってしまうんですよね。だとしたら、絶対にその選択はしたくない。論理とかじゃなくて、あなたがこうするべきだと勧めているというだけで、その選択を選びたくはなくなってしまうんですよ。と。

人を指導するというのは本当に難しいことだと感じます。例えば、憧れの人が「君はこうするべきだ」と言ってくれれば、素直に受け入れることができると思うのですが、なんとも思わない人に「君はこうするべきだ」と言われてもそうしようとは思えない。830たちみたいな凡人が、人を指導するなんておこがましいことだと思うんです。
「こうした方がいい」なんていう指導は明らかにおかしい。「どうした方がいいか」なんて人それぞれなんだから、誰かが押し付けるものじゃない。誰かの価値観を思い通りに操作しようと考えてはいけない。
830たちにできることは、「こんな考え方もあるよ」と選択肢を与えてあげることです。その選択を選ぶかどうかはその人次第であって、そこから先は相手が決めることなのです。
そして、830たちがもう一つしなければいけないことがあります。それは、どうして相手は自分と違う選択をしているのかをしっかり理解することです。考え方の違う人と働いていく中で、その人の考え方を自分と同じにしようと考えてはいけません。考え方が違うということを正面から受け止めた上で、相手はどんな考え方をしているのかを理解する。理解することができれば、相手がどう行動するかも想像することができるし、相手がどうしてほしいのかも感じ取ることができる。そうすれば、根本的な考え方が違ったとしても、一緒に働いていくことができると思うのです。